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 歩こう会 日記
※動植物の名前など、間違い・勘違い等があることがあります。お気付きの点がございま したらご連絡ください。
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〜2006の歩こう会日記はこちら から
暑 いけど秋−−−−
9月27日 晴れ 参加者12名

歩こう会が第4土曜日になって初めての会なので参加してくださるかたのことが気になる。
幸い土曜日だから来られるようになったという方が4人程みえてほつとした。
天気は爽やかで気持ちのいい日、しかし今日を受け持ったNとしては
いつも教えてくださるT氏とIさんが来られないので誰か助けてーーーーという
感じで始まった。
これからなにかデーターを取っていこうということなのでどんなデーターを取った  
らいいのか考えながら歩きましょうという提案をして歩き始めたがーーーー
在来種と外来種をさがす。シュロの本数を数えよう。
入り口のところにエノコログサここには2種類あるがエノコログサとアキノエノコロと
思うが確認はできていない。                                



ヌスビトハギこれはアレチヌスビトハギ。節果が浅くくびれてる。
他にヌスビトハギ、マルバヌスビト ハギ、ヤブハギなどがあるが、この節果は深くくびれる。
薄紫のハギの花、黄色のカタバミの花、紫のツユクサの花など自然に詳しいKさんに
教えていただきながら進む。
シュロの数を数えながら竹林を歩く竹林の中は30〜40本位。
途中ツルグミが元気よく蔓をのばしている。
谷とヒノキ林の間の道路工事で樹が切られて陽が入るようになったところはすでに
シュロの林になっていた、こんなに成長がはやいのですね。50〜60本位。
青いドングリの小枝が沢山落ちている、虫が卵をドングリの中にうみつけてそれを  
守るために切り落とすそうだ。子孫を残す為の営みがこんな風にあるのですね。
ツインタワーのような竹がうきあがってみえた。




見晴台に向かうシャシャンボはまだ青い。ガマズミの実は少し色づいていた。
赤い実をつけたアオハダ。沢山の赤い実がとてもきれいだった。近くに全く実のつ 
いていないアオハダあった、アオハダは雄木と雌木があることを以前教えていただ 
いたことを思い出した。ソヨゴも赤い実をつけていた。
トンボ池にでる。キツネノマゴ薄紫の小さな花 タカサブロー白い花おもしろい
名前ですね。



5センチほどの赤トンボ何トンボなんでしょう。  
蝶の先生がいらして蝶の話を聞く、アサギマダラはぼつぼつでているらしい
蝶を呼ぶためにヒナゲシ畑をフジバカマ畑にかえたようだ。  
以前アサギマダラをみたのはセイタカアワダチソウの所だったような気がします       
がセイタカアワダチソウの花も咲き始めましたしね。



フジバカマがあったので秋の七草は何かな・・・・・
ハギ(萩) ススキ(薄) キキョウ(桔梗) ナデシコ(撫子) クズ(葛)
フジバカマ(藤袴)    オミナエシ(女郎花)
暑いとはいえ秋の気配がただよう相生山でした。E.N

ブドウ属はケンケンパ
6月5日 晴れ 参加者13名
湿気の多い梅雨空ではあるが 雨にはならずなんとかもっている。
5月からの蛍の宴も終焉に近付き 梅雨本番に入ったようだ。

相生口からスタートして今回は緑地の方のルートを行くことにした。
相生小学校にそって南に降りてすぐに右折する。北側の谷側にキクイモの葉が茂っているのを見つけたがこれは
人が植えたものだということ。根が食用になる。ショウガに似たごつごつした根で味噌漬けにするとおいしい。



車両通行止めになっている手前から谷に降りて水脈にそってユキノシタが群生しているかたわらを、いつもより
湿めり気のある雑木林の中に分け入る。
竹の子も、もう遅いので、心がざわめかずに歩ける。採る気は無くても 季節においしそうな竹の子が頭を出しているのに会うとちょっと胸騒ぎするのは、いた しかたない。
上がり坂になると地面が、湿気っているのでズルッと足をすくわれるので、慎重に上がらなければならない。

竹林を抜けて傾斜地も終わると歩きやすい散歩道だ。
ガマズミやアズキナシの白い小さな花も終わりかけている。

花の感じがとても似ているので、混同していたようで、人に聞かれると「ガマズミかなあ?」と答えていたが 
何割かはアズキナシだったようだと気が付く。

よく見ると葉の形もつきかたも違う。アズキナシの方は重鋸歯というのだそうだが、葉の周辺がギザギザの中に更に小さなギザギザがある。
どちらも秋に赤い小さな実をつけるのも同じだ。
そしてアズキナシは互性、ガマズミは対性に葉がつく。そうそう 何度も聞いたのに忘れていたようだ。
どちらの実も食べられるそうだが アズキナシはわざわざ果実酒にすると本に書いてあるところをみると味はアズキナシの方に軍配が上がるのだろう。

果樹園の脇にアケビのつるがたくさんのびて、アオツヅラフジやへクソカズラなどとからみあっている。
葉は五枚と三枚と さらに五枚の中でも葉の形が 丸いのと切れこみのあるのとがある。
五小葉はアケビ 三小葉はミツバアケビ 五小葉で波状の鋸歯があるのはこれらの雑種でゴヨウアケビとのこと。




ヤブジラミが小さな白い花をつけている。複葉にわかれた葉も楚々とした和風の姿形で花期は素敵な植物だが
いつのまにか豹変して楕円形の実をつけはじめると要注意だ。

実の表面のとげはよく見ると先が釣り針のように曲がって、林から出ると決まって衣服のあちこちにしっかりとくっついている。
姿に似つかわしく無い名前だと思ったら こんな訳があったのだ。
正確に言うと相生山にあるのはオヤブジラミだそうだ。
ヤブジラミは小葉が葉軸近くまで裂けない。葉軸近くまで深く裂けているのでオヤブジラミとのこと。

ノブドウの花が地味に咲いている。淡緑色で目立たない。秋には、あんなに美しい五色の実をつけるのに
花はひっそりとしている。美しい実ってのはどうかな?あれ、中に虫がはいっているんだよとT氏。
でもやっぱりきれいな五色の玉だ。たしか「宝石よりきれい」と言って人もいた。
虫が入っていることは その人には黙っておこうかな。

エビズルの花もこの時期だが やはり黄緑の地味目の花だ。
エビズル、ヤマブドウ、サンカクヅル 別名ギョウジャノミズ(行者の水)はブドウと同じブドウ属で
ブドウ属の節に付くツルは二節ついて、次の節はつかずお休み でまた二節ついて 次はつかず、ケンケンパのリズムになっているという。
なるほど ブドウ属はケンケンパ 覚えられそうだ。




散歩道も行き止まると、やや急な下り坂。今日は足もとが悪いのに危なかったかと心配したが、なんと、つたって降りられるようにロープが渡されていた。おか げで危険度はかなり軽減された。 それでも皆おっかなびっくりでつたい降りる。

降りたところは炭焼き小屋の裏の水脈がある所。仲間うちでは相生山の軽井沢と勝手に命名されている。危険をおかしてまで(オーバーな)来た理由は、雨期だ け出現する小川を見せたかったから。
水音も清々しく疲れを忘れる。



どうしてこの小川は半涸れになってしまったのだろう。
水のある風景は本当に心が癒されるものである。

水になぶられるカキドウシが水草のようである。そういえばここは足もとにカキドウシが多い。

すっかり リフレッシュしたところで帰路についた。相生山のあちこちにいつも小川が流れてたら言うことないのにねと語りながら。 Y.I

白い花の季節
5月1日 曇り時々晴れ 参加者13名

集合場所のオアシス森相生口は、樹は切り倒され…歯抜けのように西の空 が見え…
道路工事の機械の音と白い土がむきだしになった様子には胸が痛みました。
天気は曇り空で少し蒸し暑い日になりそうです。



森の入り口のところでカスマグサをみつけた。
カラスノエンドウやスズメノエンドウと同じマメ科。
カスマグサの名前の由来はカラスエンドウとスズメエンドウの間というのでついたそうです。
結構単純なんですね。




竹林をぬけるとーーー鳥の声。耳をすます。なんて聞こえる?
―――ポッピリピー、ピピロピピロ ――― (クリックすると キビタキの声が聞こえてきます。)
言われればそんな風に聞こえるが、鳥の声を聞き分けるのは難しい。
キビタキだ。7−8種類の鳴き方をする。
時にはコジュケイのようにチョットコイ、チョットコイと鳴いたりもするそうだ。
相生山には渡りの途中で1ケ月ぐらい滞在するらしいので、
運がよければ黒と黄色のコントラストの綺麗なキビタキに会えるかもーー。
是非会いたいですね。しばし可愛い声に聞き入った。

森の中に入っていくと蒸し暑いせいか黒い虫が顔の周りにまとわりつく。
自分だけ虫に好かれているのかなーなんて思うぐらいうっとうしい。
「道路工事のため危ないから入ってはいけません」の看板に行く手をさえぎられて、
山の上のほうに向かう。
サワフタギの白い花がきれい。小さい花のかたまりがふわふわと葉の上にのっている。
沢を塞ぐように茂るのでその名がついた。これも単純。



ちょっといつもとちがう道へ。「通りぬけできません」の脇道にはいってみる。
ヒメカンアオイの群生地があった。
そしてそこに来た方が大きな穴に向かって手をあわせている。
「どうしてですか?」と聞いたら、
「この穴は太平洋戦争の砲弾跡だから毎日まわっている。」ということでした。
相生山に4,5箇所あるそうです。60年以上たった今もーーー。

元の道に戻り菅田口へ。手入れのされていない竹林をすぎると住宅地に入った。
そこでNさんが「こんなのがいたよ」と2センチぐらいの虫。
お腹を上にして置くとぴょーんと跳ねてちゃんと着地。
おもしろくて何回もさせてしまってごめんなさいね。
足に褐色の毛があるのでオオナガコメツキだそうだ。

足元にはツボスミレ。白いところに紫の筋が入った可愛い花をつけている。
花が咲いて受粉して種ができる方法と閉鎖花〜つぼみのように花を閉じたまま〜自家受粉して子孫を残す2つの方法をもっている。閉鎖花を見てみたいですね。

草地にキツネアザミが可愛い薄紫の花をつけていた。
アザミと同じキク科ではあるがアザミ属では無くキツネアザミ属である。
アザミは棘があって野生的。キツネアザミは棘が無く女性的で可愛い花−異議のある人はいませんよねー




住宅地を一回りしてトンボ池にでた。
池にはヤゴ、オタマジャクシ、ハチ――セリ、ヘラオモダカの白い花は満開。
去年は一緒に咲いていたトチカガミの花は見当たらず。
でも水辺は生き生きとして楽しい。
カラタチの実を見つけた方が「花をみたーい」と言ったら、
まだ花をつけた木もあって大感激。
白い可憐な花と緑のかたい実と大きな棘。なんだかアンバランスな木だなー。
カラタチの棘はいたいよ。気をつけましょ。



そろそろ時間なので帰路についた。
途中大きなカナメモチの木があった。
毎年蛍の季節に夜歩いていると、
真っ白な雪のような大きなかたまりが目の前に現れてびっくりする。
あれはカナメモチの花だったんですね。夜でもあんなに目立つのは何か意味があるのかしら??
そういえばズミの花もコバノガマズミの花も白かったですね。

ではまた来月の歩こう会で。E.N

花の相生山
4月3日 参加者12名

春本番の四月。
これで、花粉症さえなければ、バラ色なんだけど・・・
と、思いつつ、マスク、帽子を完全防御で、いつもの場所へ。
この格好ではコンビニ強盗と間違われかねないけれど、
幸い相生山の中には、コンビニは無いから、問題は無いはず。

森の中に入ると、「コナラに新芽が出ています」とTさんが教えてくれる。
「花」だと思っていた赤い部分、実は新芽だったのね。

ヒメカンアオイの「花」も咲いているのだけれど、
食いしん坊の私には、どうしても「柿のヘタ」にしか見えない。
でも、お仲間もいました。「烏賊のクチみたい」って言ってたアナタ、お友達ね。



春だから、森の中には、スミレがたくさん咲いてる。
紫色の花がとっても可愛らしくて、大好きな野草。
それに、これはどこからどう見ても「花」だし。
「花」みたいに見えて「新芽」だったり、
「柿のヘタ」のように見えて実は「花」だったりするわかりにくさがなくて、
単純明快。こうゆうのが、好き。

このスミレは「マキノスミレ」
このマキノスミレの特色は葉の形が二等辺三角形に近くて、
葉っぱの裏はエンジ色をしています。



この日、相生山の他の場所で、もう一種類のスミレを見つけました。
こちらは「タチツボスミレ」 
 比べてみると、葉の形が丸っこく、葉の裏は薄いパープルで
す。花の色も薄紫で空の青に近い。

同じスミレなのに、こうやって比べると、全然違うわ。
ところで、スミレの種子を運ぶのはアリ。生息環境が共通しているという。

森の中ではあちこちにツツジの花も咲いている。
これも、どう見ても「花」




サクラも、あれこれいろんな種類が咲いているし。
サクラの品種の見分け方、確か、昨年の「歩こう会」日記にも書いてあったはず。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/3513/arukoukai2007.html
なので、今回はパス。

「てんぷらにして食べたい」と思うタカノツメの新芽も出てるし
ヤエムグラの花も咲いているし(地味だけど)
ジャノヒゲの実の、一番キレイな時期だし。



はなまつり開催中の徳林寺へ向かう途中「ワスレナグサ」
に良く似た「キュウリグサ」を発見。
 恋人のために、「ワスレナグサ」を取りに行った若者が、足
を滑らせて川に流されてしまう。
その時に恋人にむかって、「ワスレナグサ」の花を投げ「Forget
not me!」と叫んだと言う伝説を持つ花、の仲間だそうです。
 それにしては地味な花。 遠くから見えるような大きな花じゃ
ないし、「ワスレナグサ」って 危険な場所まで出向く程の魅
力のある花なのかしら。

その後、徳林寺で解散。
来月は、新緑がきれいだろうな。T.O

梅と桃の違い
3月6日(木) 参加者16名

少し寒さが緩んで、春めいたの陽光だが、コートはまだ必要といった天気。
出席者も冬に比べ少し増えて16名。
相生口では数はすくないが、梅の花が見頃である。
4、5本の梅の中でも濃いピンク、薄いピンク、白に近いものと色々だ。
今日は梅林もきれいだろうと、コースは決まった。

その前に 梅と桃の違いについてミニ講座。
どうやって見分けてきたか問われると あらためて考えるとすこぶるいいかげんで、あてずっぽうに近い。
丸い花びらが梅で 先が尖った感じが桃? すっきりした花付きが梅で ややかたまった花付きが桃?
と、つい目立つので、咲いた花で考えてしまいがちだが、まずつぼみを比べると、梅は毛が無く、桃は長くて細い毛で覆われているそうだ。若い枝で比べると緑 色が梅で、桃は赤っぽい。幹を比較すると、梅は黒っぽいごつい幹、桃は桜に似て皮目がある。
木の名前は総合的に色んな情報 幹、葉、花、実 から考えると答えがでてくる ということを忘れていた。



梅林に上がる途中で、落葉の上に落ちたコナラの実がぱっくりと割れて 間から白い芽がちょろりとのぞいているのを発見。見渡すとあちこちに落ちている。
皮の下から見える、表面が薄紅色のクリーム色の子葉がいかにも栄養たっぷりである。発芽の条件が揃うまで落ち葉の間で待っていたのだ。
梅林は期待通り梅見ができ、足もとの日当たりの良い地面にはオオイヌノフグリ、ホトケノザ、オランダミミナグサ、ナズナが咲き始めている。いかにも水々し いオランダミミナグサの白に比べて、ナズナの白は乾いた感じの白色だ。

梅林も白梅がほとんどだ。これも緑がかった白、クリーム色っぽい白、ピンクがかった白と一口に白梅といっても微妙に違って風情がある。





シンボルツリーのコナラから山根口に向かう。ヤマコウバシが見事に均一にオレンジがかった茶色のカサカサ音がしそうな乾いた葉をつけていた。
又の名をモチシバというそうだ。この葉を雑穀と炊き込むとモチモチして雑穀のパサ付きを食べやすくするというが、現代で雑穀にこれを入れて炊いてる人   いたら達人である。「健康のため玄米を食べています。」と健康志向の人に「うちは雑穀にモチシバいれて食べてます。」と胸張れるぐらいに。 

山根口から「池に行ってみたい」との希望があり、山根の駐車場を抜けて双子池へ降りてみる。
途中 小さな楕円形の葉をつけた木を見つける。周囲に5、6本はあったろうか いつもと違うルートをたどるとなじみのない木に会えるものだ。
皆で記憶を絞り出して、イボタじゃないかというとこに落ちついた。

周辺がコンクリートで覆われて人工的な感じの双子池は、それでも数人の釣り人が糸をたれていたが、景色としてはさほど魅力も無く
わずかに小さな島に数本の木々が、健気である。どうして双子池という名かは不明。



池の周囲は少し寒くなってきたので、引き上げることにして稲田口目指して西へ。民家の間の細い道を連なって歩く。
少し前の良き田舎のなごりがあるいい感じの道である。垣根ごしに庭木を見たり、ときには入ってくる配達の車をよけるのに、石垣に張りついたり
しながら稲田口に着く。稲田口もいつもと違う方向から見ると違う場所に見えるものだ。
ちょっと疲れてトンボ池のかたわらで、少し休んで、「オオイヌノフグリはどこかではベロニカ・ブルー、青い瞳、ブルーアイ、と呼ばれているんだけど
どうしてこの名に落ち着いたんだろうねぇ」 「意味を知らなければ音はおもしろいけどね 実が似ているから、ついた名前だってさ」「カキドオシはどうやっ てお茶にするの?」「コゲラだけじゃなくてアカゲラもいるそうだよ」など、てんで好き勝手におしゃべりを楽しみながら帰路についた。

来月は徳林寺の花祭り。桜も咲くころだ。春休みに入るので家族で参加もおすすめしたい。Y.I

光の春
2月7日(木) 参加者12名

今日は抜けるような青空。
「私が参加する時はいつも青空がきれいなのよねぇ〜。」と参加者の一人。
空気は冷たいけれど、日差しはまぶしいくらいだ。
立春から春分までを「光の春」と言うそうだ。
光で春を感じる時、まさに光の春、歩こう会日和である。

まずは南に向かって出発。
相生小学校から右に入り、大きな桜の木に出会う。
「桜のつぼみはまだ固いね。」皆で見上げる。
「3月は桜をマスターしたいね。」
「大島桜、江戸桜・・・」
相生山は桜が多い。
もうそんな季節が近づいているのだと思うとなんとも楽しみである。

「さあ、この木はなんでしょう!」突然問題が出題された。
見上げても見上げても届かないくらい大きな木である。
落葉樹なので葉はない。幹はごつごつ。相生山でよく見かける木だ。
コナラのような気がするが、証拠がない。
そうだ!冬芽。
たしか3〜5つ冬芽が出てたらコナラで、1つだったらアベマキじゃなかったかな?
「コナラじゃないですか?」「正解!」
う〜ん、ずいぶん目の付け所がよくなってきたぞ。




「これはもしかしてサンゴジュ?大きいねぇ。」
きれいなツヤツヤの葉っぱ。生垣に良く使われる木だ。
家にあるのは虫食いだらけだけれどここのはきれい。そして大きい。
よく見ると葉っぱのところにポツポツ小さなふくらみがある。ダニが住んでいるとのこと。
そういえば樟脳に使われるクスノキにもポチッとあった。
葉っぱの中で暮らすと何かいいことあるのかなぁ・・・
「この新芽、葉っぱになるのかしら、花になるのかしら。」
これも来月のお楽しみ。だんだんふくらんでくると答えが出てくるのである。

センダンの実が目に止まる。下を見るとたくさん落ちている。
「ごつごつしていてマカデミアナッツみたい。」
「子どもが工作に使うのよ。穴を開けてネックレスにしたり。」
「わっ、くさい!」
「そうそう、あんまりいいにおいじゃないのよね。」
「センダンは海に近い地域に多いと思うけど、実が水に流されるからだと思うんだよね。」
今度は梅の木についた楕円形の卵の殻のようなものを見つけ、
「これ、何?虫こぶ?」
「これは柿の木によくつく虫の卵じゃない?」
「いがいがの痛いやつ。」
「あ~、イラガね。」
「家の方ではチンコロって言いますよ。」
「私はキンタロって。」「えっ、キントキちゃんでしょ。」
歩こう会でしかお会いしないメンバーだが、こんな会話が妙に楽しい。

すっかり葉を落としたモミジ。小さな新芽が一対、かわいらしく並んでいる。
あっ、一対ということはモミジの葉は対生だということだ。
植物の葉には対生と互生があって、
互生というのは、「植物の葉が、一つの節に一枚ずつ生じ、互いに方向を異にしていること。」
対生というのは「植物の葉が一つの節に一対生ずること。二輪 生。」(大辞林より)
毎回歩こう会の中で一度は話題になる言葉だ。



この実は確かネズミモチじゃなかったっけ。
「これってネズミモチでしたよね?」
「モチノキと名がつく木はいろいろあって、「ネズミ」の名がつくものは葉が対生なんだよ。」
中でも葉が透けた感じがするのがトウネズミモチ、
そうではないのがネズミモチなのだそうだ。
対生が互生かというのはやはりとても重要な観点なのだ。

シラカシ、トベラ、ヤマコウバシ、ヤブニッケイ、
目に付く木々を一つずつ特徴を確認しながら歩いていく。
一つの木に対して、その種独特の個性を見つけていく作業は
「あなたにはこんな個性があるんだね。」
と人に対しても相手を受容していく大切さを教えてもらっているような気分になる。



オアシスの森より南側のこのあたりは民家が点在している。
畑があったり果樹畑があったり。犬もほえれば車も通る。
こんな風に人と自然が共生している雰囲気がなんとも言えず気に入っている。
名古屋市は随時買い取って公園化していく政策と聞いているが、
私はこのまま変わりませんようにとひそかに強く願っているのだ。

アスファルトの道から少し北に入ると炭焼き小屋がある。
初めての人もいたりして炭焼き小屋を覗き込んでいると
「チルチルッ チイ チイ チイ」
頭の上であちらでもこちらでもメジロの声が降り注ぐ。
「音のシャワーみたいだね。」
木々に囲まれ、鳥の鳴き声に包まれる。
なんとも幸せな一時である。

奥に入ると少し開けた場所がある。
柔らかな草が一面に広がっている。
「ヤエムグラですね。」
「八重むぐら しげれる宿の さびしきに・・・って百人一首にあったよね。
この続きなんだったっけ。」
「人こそ見えね 秋は来にけり」
こんなところで百人一首が聞けるとは。風流ですなぁ。

ヤエムグラ
百人一首47番
「八 重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり」
恵慶法師



なんだかずいぶん歩いてきた。そろそろ引き返しますか。
帰り道、
「これがトウネズミモチですね。」
本当だ。葉は対生だし、透けている。実はついてないけれどわかってしまった。
いつも帰りは急に詳しくなったように錯覚するが、なかなか次回まで覚えていられない。
まぁ、だから毎回新鮮に楽しめるのだということで、

次回もお楽しみに・・・ H.K


七草かゆの会
1月6日(日) 晴れ 参加者15名 

吹雪いて震え上がった昨年の七草探しと打って変わっておだやかな良いお天気だ。
今までと大きく違うのは、南か北か二つの入り口のどちらから入ろうか迷う必要が無くなったこと。
昨年秋から、相生口側の道路工事が始まって、灰色の道路が森の真ん中に向かって少しづつのびつつある。
だから少し滑りそうになりながら降りたあの南側の入り口は もう無い。
坂を降りると番人のように立ちはだかっていたコナラの木の姿も無い。ノキシノブを木肌にくっつけたまま
あの木は倒れたのだろうか。

私たちにいろんな楽しみを与えてくれた木々は私たちが背を向けて歩き出した背後で押したおされ
踏みつけられ 森から消えていく。



それでも季節の移ろいは いつも通りに巡っている。
というより 温暖化の影響で やや早く春の草が出始めているようである。

梅畑の日当たりの良い野原でまずゴギョウ 別名ハハコグサを探す。
しかし見つかるのはほとんどチチコグサモドキ。
ハハコグサは花が可愛い黄色い花だが、チチコグサモドキは茶色で花の後もあまりきれいとはいえなくなんとなく
バサバサしたがさつな感じの姿になるが、地面に張り付いた今頃の姿では、見分けがつきにくい。
まあ人間界でも母かと思っていれば、父だったりとなんでもありなんだからということで。これがゴギョウということに。

かたわらにナズナ 別名ペンペングサも見つける。梅の木の下に一株のマメグンバイナズナを発見。
ナズナでいう三味線のバチの部分が軍配の形というのでこの名がつくという。ここは実の部分だそうだ。
花も実もナズナより繊細でいて背はナズナより高い。
難なくハコベも見つける。




ホトケノザとセリを求めてトンボ池を目指す。途中山根の竹林で、「ギーッ」とコゲラ。続いて「チルッ!チッ チッ チッ」とメジロ。
「ピィ〜ッ!」とヒヨの甲高い声。鳴き声を聞き分けられると姿が見えなくても触れあった感じがするねと、皆の顔がほころぶ。

ホトケノザ別名コオニタビラコだが毎年頭を悩ませるのがこれだ。実に判別しにくい。これかな?と思うとほとんどがタンポポである。
暦のずれで昔と今とでは、草が違うのだろうという話になる。
ここは 今の生態に合わせて新春の七草を決めなければと言う意見も出る。では新メンバーは?見つけやすく、おいしく、滋養がなければいけない。候補に上 がったのは、ヨモギ、タンポポ、ユキノシタ、カラスノエンドウ、カキドオシ。
候補にあがったところで、どうなるものでもないが。



池で、水につかったセリも採集しているとTさんが、上空にノスリが悠然と弧を描いているのを発見。
あの高さで、地表の小動物が、判別できるというから驚きだ。人とは目の構造が違うのだから当然なのだが。そのかわり、ノスリは新聞は読めないんだとTさ ん。ノスリは新聞を読めなくても気にしないことは間違いない。
ともかくちょっと怪しいが、スズナ、スズシロ(カブ、ダイコン)以外5種が揃ったところで11時半。
少し急ぎ足でおかゆ準備班が待つ風の子幼児園へ移動。
風の子幼児園の庭で、焚き火にあたりながら、ささやかな幸せに感謝しつつ温かい餅入り七草かゆを皆でおいしくいただいた。
今年も良い年でありますように。 Y.I